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少額管財手続では自己破産費用が少なくなる

  • 文責:弁護士 上田佳孝
  • 最終更新日:2023年11月28日

1 自己破産手続きの種類

自己破産では、破産手続開始決定と同時に破産管財人が選任される管財手続と、破産手続開始決定と同時に破産手続が廃止される同時廃止手続があります。

ここでは、管財手続について、費用の点から、いわゆる通常管財手続と少額管財手続についてご説明します。

なお、ここで「いわゆる」としたのは、裁判所により呼称が異なるためです。

例えば、東京地方裁判所では、一般的に通常管財と呼ばれる手続を「特定管財」、一般的に少額管財と呼ばれる手続を「通常管財」と呼称しています。

2 少額管財手続が行われるようになった経緯

かつては、管財手続と言えばいわゆる通常管財手続のみでした。

管財手続では、破産管財人の業務にともなう出費や破産管財人の報酬に充てるため、予納金を準備する必要がありますが、この通常管財手続では、最低でも50万円を準備する必要がありました。

しかし、一般消費者の方の破産では、弁護士費用の他に多額の予納金を準備することは難しいのが通常ですが、他方、同時廃止手続では破産管財人による財産調査や免責不許可事由の調査が行われず、適正な手続という観点から問題もあります。

そこで、実務では、手続を簡素化し、手続にかかる費用の中で大きな比重を占める破産管財人の報酬を低く抑えることで予納金を低額化し、管財手続を利用しやすくする運用がなされるようになりました。

この運用が、少額管財手続になります。

3 少額管財手続における予納金

少額管財手続における予納金(管財人に引き継ぐ金額)は20万円とされているのが一般的ですが(この他に官報公告費用の予納も必要になります)、これよりも低額に設定している裁判所もあり、また、そもそも少額管財手続の運用を行っていない裁判所もあります。

ただし、少額管財手続を行っていない裁判所でも、事案(一般消費者の破産など)によって予納金の額を減額するのが通常のようです。

また、当該事案で想定される破産管財人の業務内容によっては、少額管財手続を希望して申し立てた場合でも、予納金の増額を求められることがあります。

4 少額管財手続を利用するための条件

以上のとおり、少額管財手続では、予納金の金額が通常管財よりも低くなるため、自己破産の費用は少なくなりますが、以下のような条件があります。

なお、条件の運用についても各裁判所により異なる場合がありますので、必ず弁護士にご相談ください。

⑴ 弁護士が代理人として就いていること

本人申立ての場合は、少額管財の扱いにはならず、通常管財になります。

専門家である弁護士が代理人に就いていれば、申立までにある程度の財産調査や免責不許可事由の調査が行われることが期待でき、その分破産管財人の業務も低い報酬額に見合った分量に抑えられるだろう、という趣旨です。

なお、司法書士は破産手続について代理人になることはできないため、司法書士に破産申立の書類作成を依頼した場合でも、申立の際は本人申立てになることに注意してください(ただし、予納金の金額は通常管財よりも低額になる場合があります)。

⑵ 少額管財の予納金額では不足するような管財業務が想定されないこと

次のような事情がある場合は、予納金額の増額を求められる場合があります。

  1. ① 破産者を相続人とする遺産分割を行う必要がある場合
  2. ② 訴訟を提起する、または提起されている訴訟に対応する必要がある場合
  3. ③ 不動産の売却を行う必要がある場合

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自己破産における退職金の取り扱いについて

自己破産を簡単にいうと,保有が許可されている分以外の財産を換価し債務者に按分したうえで,税金等の例外をのぞき,残りの債務を0円にする手続きです。

財産というと,現金や預貯金,自動車や不動産などがまず頭に浮かぶと思います。

現金や預貯金も多くは持っていないし,自動車や不動産も所有していないので,自分には財産はほとんどないと思う方もいらっしゃるでしょう。

しかし,実際に自己破産の手続きを進めた方からは,思いもよらないものが財産とみなされたとの感想をいただくこともあります。

そのうちの一つとして,今回は退職金についてお話しいたします。

退職金も,実は財産となります。

すでに退職し受領している場合,退職は未定で今後支給される予定がある場合,いずれの場合にも財産として計上する必要があるのです。

すでに退職して退職金を受領している場合は現金ないし預金として手元にあると思いますので,換価するかどうかについては財産総額等によることとなります。

問題は,まだ退職はしないけれど今後支給される予定がある場合です。

実際に受け取ってもいないし,今後の景気動向次第では確実に受け取れるとは限らないものですが,これも財産として計上する必要があります。

退職金の4分の3は差し押さえ禁止財産となりますので,支給される額の4分の1を財産として計上・換価する必要があるものと言えます。

退職金の額は,申立時点で仮に退職した場合にいくら支給されるかを金額の根拠とします。

したがって,会社の就業規則等から計算できる場合はその金額を,出来ない場合は勤務先に依頼して退職金見込額証明書等を発行してもらう必要があります。

しかしながら,実際には支給される保証がないため,名古屋地方裁判所に申立を行う場合は支給予定額の8分の1を財産評価額として計上することがほとんどです。

また,中小企業退職金共済の退職金は例外で,全額差押え禁止財産となるため,基本的には財産として評価されません。

ただし,退職金の額があまりに多い場合に対応が変わる可能性もあります。

自己破産の手続きは,裁判所ごとに微妙に取り扱いが異なる場合もありますので,名古屋地方裁判所を管轄とされる地域にお住まいの方は,名古屋の弁護士にご相談されることをお勧めいたします。

弁護士法人心は名古屋駅の近くに事務所を設けており,自己破産のご相談も取り扱っています。

自己破産をお考えの方は,ご相談ください。

自己破産の少額管財手続き

自己破産というと,マイナスなイメージを持っている方が多いと思いますが,多額の借金をかかえ,債権者への返済が困難な場合,それを免除してもらうことで,新たな生活を再スタート出来るというメリットがあります。

自己破産は,裁判所で行う手続きで,申立をする方の居住地を管轄する地方裁判所で行います。

名古屋市にお住まいの方の場合は,名古屋地方裁判所に申立をすることになります。

自己破産には,同時廃止事件と管財事件の2つの種類があります。

目ぼしい財産がなく,借金をしてきた経緯に問題が無い場合には,同時廃止になることが多いといえます。

管財事件は,裁判所から管財人という弁護士が選ばれ,その管財人が債務者の財産の調査等を行い,債権者に分ける財産があれば配当を行うという複雑な破産手続きです。

また,管財事件は,さらに通常管財手続と少額管財手続の2種類に分かれています。

2つの手続きの大きな違いは,裁判所に納める予納金の金額です。

管轄の裁判所や事件の難易度にもよりますが,通常管財手続では30~60万円程度,少額管財手続では22万円程度となります。

予納金は,管財人の報酬になるお金ですので,どちらの手続きになるかは,管財人が行うことになる業務の量によって決まります。

少額管財手続となるには,管轄の裁判所にもよりますが,弁護士が破産申立の代理人となっていること,換価可能な財産が存在しない又は換価容易な財産しか存在しないこと,賃借不動産の明渡しが終了していること,否認すべき行為(破産直前の不当な財産処分等)が存在しない又は否認すべき行為が存在するが,相手方に弁済意志及び弁済資力があることが確認出来ていること,といった条件があります。

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